*子育てをすすめるにあたって*

1.生命をはぐくむ (まず 子どもを受け止めることから)

 

 ハンディを持っていても、大切な、かけがえのない人生です。

この子どもたちの生命をしっかり受け止め、大切にはぐくんでいこうという気持ちが大切です。

「障害をもって生きるのはかわいそう」などと思わず、「生きよう」とする子どもをありのままに受け止め、育てていこうと親が心を決めることが、「子育て」の出発点と考えてきました。

 

2.子どもの発達を信じて育てる

 

 医療機関や療育機関で「障害」という診断をくだされ、悲嘆にくれてさくらんぼ会を訪れた親たちはたくさんいます。

 でも、子どもを受け止めようという親たちの気持ちが決まって、確かなかかわりをしていくと、子どもたちは成長していきます 子どもたちは、歩みは遅くとも、発達の山を登り続けています。障害や遅れがあっても、優しさや強い意志が育っていくことを、多くの子どもたちとのかかわりの中で知らされています。

 子どもたちの確かな育ちを信じて、手塩にかけて育てていけば、子どもたちも、おだやかで豊かな生活を送れるということも知りました。

 くじけず、目標を立てて、ねばり強く育てていくことが大切だと考えています

 

3.自分で育てる (他力本願ではなく)

 

 現代は、情報化時代とも言われています。ハンディのある子どものかかわりについても、いろいろな情報が入るようになりました。

 ハンディのある子どもを前にすると、親も、ときに自信をなくし、どう育てていけばいいのか戸惑ってしまい、自分では育てられないのではないかと心配しがちです。

 情報を参考にしたり、アドバイスを受けながらも、主体性を失わず、日々の生活の中で「自分で考え、自分で育てていこう!」という親の気持ちが決まってくると、お母さんは子どもへの接し方を考え、的確に子育てができるようです。

 そして 親が子育てに自信を持ち、子どもが「とてもかわいくなった」と言えるようになると 子どもたちも確かなあゆみをしていくことを、多くの親子が示してくれています。

 

4.ひとりでなくみんなで育てる(地域の中で)

 

 さくらんぼ会のあゆみのなかで見逃せないのは、「みんなで心と力をよせあって」子育てをしてきたことです。

 

    両親、兄弟姉妹、祖父母、家族みんなの協力

    地域の人々の協力

    親同士の助け合い

    通園、通学、通勤先の人々の協力

 

 子どものことをともに見守り考え合ってくれる人、その成長をともに喜んでくれる人の存在は、ありがたいものです。

 また、子どもの発達が見えにくくなって落ち込んだり力尽きそうになるとき、心の内を打ち明けられる人、ともに考えてくれる人、そうした人々をまわりにたくさん作っていけることが、子育てには大切です。

 さくらんぼ会は、そんな仲間たちで活動し、輪を広げてきました。

 親や子どもが孤立しないことが大切だと考えています。